アナログとデジタル
デジタルの最大の特徴は、パソコンでイメージが扱えることです。
デジタル化イメージにより従来の技術では不可能であった様々な処理が、用途に合わせて行えるようになりました。
保存と劣化
一度記録した画像の質はデジタルの場合、0と1のデータなので基本的には劣化がない。一方、アナログの場合は、マイクロフィルムは適性処理、保存をすれば問題はないが、複製による劣化は避けられない。
デジタルの特徴
@階調処理
0と1の2値の情報で中間調を表現するのが、デジタルの階調処理の技術であり、種々の新技術の開発のより写真の再現性等がアナログである銀塩フィルムに近づいてきている。
Aデータの圧縮
様々なデータ圧縮技術により、データ量の低減が日進月歩で進められている。
Bかすれやゴミの除去などの画像処理
アナログの銀塩写真は、用途別にオリジナルに忠実なイメージを作るように設計されているため、書類に無意味な黒点があった場合、それも忠実に記録する。
デジタル記録では、独立した黒点はゴミと判断するなど、オリジナルに比べ本当に必要な情報のみが、鮮やかに記録されるようにすることも可能である。
C情報の加工・編集
デジタル・イメージが真価を発揮するのは、画像を回転したり、拡大・縮小したり、部分修正したり、使用用途に合わせた加工・編集が可能であることである。
D情報検索の高速化・自然語化
OCR技術を利用することにより、イメージの取込みと並行して、イメージの文字コード変換ができるので、ファイル名や日付などの検索データを自動入力することも可能である。
Eマルチメディア化
音や動画等をデジタル化することにより、コンピュータで一元的に取扱うことができる。
Fネットワーク・通信
ネットワークにより情報の共有化や通信による高速伝達が可能である。
イメージは非常にデータ量が多いので、通信に時間がかかるが、通信速度の向上で改善されてきている。
G情報劣化のない複製
オリジナルと同品質のイメージが複製できる。
アナログの複製は、銀塩フィルムの場合は光学的なコピーであるのでレンズや照明等の影響で、磁気記録の場合は磁気ヘッドの状態や電気ノイズの影響で同品質のコピーは難しい。
H情報単価の低廉価
半導体技術の進化で高性能かつ安価になっている。
デジタルの短所
@ハード・ソフト依存度
デジタル・イメージはその情報を見るのに専用のハード・ソフトが必要。
A保管メディアの寿命
デジタル・イメージ記録材料の歴史は浅く、長年にわたる保存実績がまだない。
改良が行われ推定寿命100年というメディアも出現しているが、銀塩フィルムのような安心感・信頼感がまだない。
Bハード・ソフトが短寿命
デジタル技術の進歩が速く、比較的短期間でのシステム変更を余儀なくされる。
保存したデータの変換が必要な場合も出てくる。
Cデータ量が不定
デジタル・イメージのデータ量は階調処理やデータ圧縮により、イメージのサイズが同じでも一定ではなく、計画的なファイル管理が困難である。
Dデータ破壊の可能性
一ケ所でもキズなどがついて読めなくなると、全データが読めなくなるということが簡単に起こりうる。
Eデータの改ざん
Fデータの盗難
デジタルのデータは簡単にコピーが可能である。
特にネットワーク上での盗難は目に見えないだけに非常に危険である。
アナログとデジタルの融合
マイクロフィルム(アナログ)には、改ざんができない、長期保存ができるなどの特徴があり、デジタルには検索が速い、情報を遠隔地に即時に送れる などの特徴がある。
これらのよいところを組み合わせたシステムをハイブリッド(融合)といい、デジタルの普及が進むにつれ、アナログとデジタルのハイブリッド化が増えてきている。
@マイクロ撮影とデジタルの同時入力(Scanning & Filming)
紙資料からマイクロ化とデジタル化を同時に行う。
Aマイクロフィルムを作成後デジタル化する方法(Filming Then Scanning)
マイクロフィルムを作成し、その後マイクロフィルムからデジタル化する。
Bデジタルからマイクロフィルムを作成する方法(Scanning Then Filming)
直接パソコンなどで作成した電子文書や紙文書をスキャナに読み込んで長期に保存したい文書だけをデジタルから直接マイクロ化する。
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