カセットテープの保存 管理方法(参考文献)

カセットテープの保存・管理方法
(市販品よりオリジナルを救おう・代替案含)

 

磁気テープは、ポリエステルフィルムの上に、磁性層を塗布した構造になっているため、温度・湿度によって伸縮する特性を持っており、温度・湿度の変化がテープの変形の原因になります。

一般に、ポリエステルフィルムの温度伸縮係数は1×10-5〜1×10-6/℃で、例えば、1000mm 長のテープの場合、1℃の温度変化により、10mmの伸縮が起こっていることになります。
このことは、急激な温度変化はテープの伸縮を招き、テープダメージの発生原因につながります。
また、カセットシェル等の樹脂についても、プラスチックであることから、温度に対して同様に変化することが考えられます。

以上のことから、

保存時の推奨温度・湿度は
温度 :15〜25℃
湿度 :30〜65%RH

となりますが、一般環境では、季節によってはこの条件を保つことは難しいこともあるので、できるだけ乾燥した温・湿度変化の少ないところに保存・保管することがよいと思います。

以下に一般環境における保存・保管上の注意点について述べたいと思います。


1. 高温・多湿の場所、また直射日光の当たる場所は避けて下さい。

こういう場所に長く放置しますと、テープが伸びたり歪んだりするという現象が度々起こります。その結果、正常な再生が出来なくなることがあります。



2. テープに「カビ」がつくと、ヘッドづまりが起き再生が出来なくなることがあります。

「カビ」が発生しないようにするには、湿気を60%RH以下に管理する工夫が必要です。下の第5項を参考にして下さい。



3. 露つきには注意しましょう。

カセットテープを寒い戸外や部屋から急に暖かい部屋に持ち込んだり、加湿された部屋の中で使用した後保管・保存する 場合は、露がついていることがありますので、きちんと拭き取ってから保管して下さい。



4.「ほこり」が多い場所は避けて下さい。

テープにほこりが付着すると、ドロップアウトが増えたりヘッドを汚しその結果音や画がおかしくなります。次の第5項 を参考にして下さい。



5. 保存するときは、必ずケースに入れてしまって下さい。

長時間使用しないときは、キャビネットやポリエステルの袋などに入れ除湿剤(シリカゲル)を入れておきますと、気や「カビ」「ほこり」からテープを守ることができます。



6. カセットテープの上に重いものを載せないで下さい。

変形してテープが使えなくなることがあります。



7. 強い磁気の発生する場所にカセットテープを放置するのは避けて下さい

録音・録画した内容が劣化する場合があります。スピーカーやラジオ、テレビなどのそばは避けた方が無難ですが、目安として虫ピンや針がつかない程度であれば問題はないでしょう。

家庭の場合、磁石を利用したおもちゃや車のアクセサリーなどを、直接カセットテープの上に置いたり触れさせないようにして下さい。



8. テープを完全に巻き取ってから保管・保存しましょう。

特に、しばらく使わない場合には、リーダーテープが見えるようにきれいに巻き取っておいて下さい。巻き乱れやテープ段付き状態で保存すると、テープが変形し音質や画質へ悪い影響を及ぼすことがあります。



9. 時々巻き直しをしましょう。

衣服に「虫干し」が望ましいのと同様に、テープの場合も「虫干し」=「巻き直し」が必要です。巻き直すことで、「カビ」の発生、テープの粘着、転写などの防止に効果があります。少なくとも、年に1〜2回は巻き直しをしたいものです。



10. ラベルは所定のものを、所定の箇所に正しく貼りましょう。

ラベル欄からはみ出してラベルを貼ったり、余分のものをその上に貼ると、走行トラブルの原因になったり、取り出し口 にカ
セ ットが引掛かって取り出せなくなる場合があります。



11.代替をしよう。
ビデオカセットテープ等の劣化が懸念される場合には、劣化して見れなくなる前に、媒体代替するという方法がある。弊社では、ビデオテープ画像のCD化DVD化を行っている。
インターネットで送信可能なフォーマット等の問い合わせもあり好評である。
真新しい媒体に変換しても、数年先はその媒体の管理も結局は心配する派目となるのだがとりあえずCD化という必要性が大きい様子である。

参考文: 日本記録メディア工業会 『磁気メディアの取扱い』より

 (株) 国際マイクロ写真工業社 編集配布元


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