社会インフラに関わる情報,公共性の高い情報,顧客情報など、半永久的な保存が必要な情報は確実にバックアップ体制を整えておかなければなりません

このため単一の記録媒体に保存するのではなく、情報をデジタル媒体とマイクロフィルムの両方に記録して長期保存を実現するという考え方が近年米国では推奨されています。
つまり、さまざまな記録媒体の長所を生かし、ひとつのイメージングシステムの中で使っていくシステムのことです。
近年、保存容量の増加やアクセス性で情報のデジタル化が主流になっていますが、デジタル媒体のみの保存での問題点が指摘されています。
技術進歩による互換性や媒体自体の寿命を考えるとバックアップ体制として完全ではありません。
その点マイクロフィルムは500年の寿命があり、紙以外では唯一の可視媒体で、しかも災害等でダメージを受けた場合比較的修復が容易なので、バックアップ用として最適な記録媒体です。さらに一歩進んで、「デジタルプリザベーション」という情報管理の考え方があります。


デジタルプリザベーションとは、情報管理プロセスのチェーン(輪)で説明できます。
(下図参照)。紙で存在する情報はスキャナーなどでイメージ情報にデジタル化し、アクセス性が要求される情報のライフサイクルの活用期間に利用されます。

そして半永久的に情報を保存するためには、フィルムライターでデジタルイメージ情報を直接マイクロフィルムに書きこみます。万一の災害の場合はこのマイクロフィルムからフィルムスキャナーを使ってデジタルデータへ高速に変換します。また、デジタル媒体やマイクロフィルムからプリンタなどで紙に出力することもできます。

このように情報のライフサイクルのすべての場面で、相互の変換、補完を実現する情報管理のイメージングシステムが実現されます。



参考文献:・社団法人日本画像情報マネジメント協会『マイクロフィルム保存の手引』
     ・社団法人日本画像情報マネジメント協会『月刊IM』(19913月,4月号「資料保存の現状と動向」)
     ・社会法人日本画像情報マネジメント協会『月刊IM』(19943月号「マイクロフィルムの保存性についての解説」)
     ・「NDC9:014.76 BSH:マイクロ写真」(著者:かわの みねこ:コダック株式会社)出典:図書館雑誌 Vol.954
配布:(株)国際マイクロ写真工業社


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